胃痛と絵の失敗

昨夜も、よく眠れなかった。

わたしは、病気への不安というものが、他の不安の比率よりもおおきく、考えすぎてしまって眠れなくなってしまうことが、ままある。
俯瞰で見ると、すごくばかばかしいことだとわかっていても、大きな病気や死、抗えないくらい強い力によって、生きていた人間が、ゆっくり、しかし確かに小さく乾いてゆき、だんだんとこの世に落とす影が薄くなっていくのを間近で見てしまってから、それはなんだか、すごく恐ろしいことに思えてならなくなってしまった。

今日は、絵をひとつ失敗に終わらせていた。
胃痛がひどく、胃薬を飲んだが釈然としない。胃にまつわる病気への不安を、頭の隅になんとか追いやったつもりで、塗っては消して、塗っては消してを繰り返すうちに、すっかり濁った、病的な色合いの絵が出来上がってしまった。
途中から、どんな手応えを目指していたのかがわからなくなり、ただ力のままに塗り、それを消すという動きを惰性で何度も何度も続けていた。
やればやるほどひどくなり、気持ちばかりが焦った。
ふと手を止めて、選んだ色鉛筆を見たら、彩度の低い色ばかり選んでいる。
土気色の顔で、目ばかりギラリと明るく、不満そうに口を曲げて、手を重ねて佇む女性の絵は、今のわたしの不安の姿そのものだった。
その絵すら、気味悪く、恐ろしく感じられ、ノートから切り離して丸めて捨ててしまった。

今夜はなにも考えずにぐっすり眠りたい。

2024/3/19 さきふみこ

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